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私萩焼屋の店長板垣が、萩焼にまつわるetce,,, 山口県に関するetce,,, 陶磁器についてのetce,,, 色々とこのブログを使って情報発信をしていきたいと思ってます。

波多野善蔵,波多野英生,萩焼,登り窯

吉野桃李さんの作品を追加しています。

吉野桃李さんの作品を追加しています。

今回は酒器湯呑に加え、灰被りの抹茶茶碗を2点ほどご紹介しています。
 

灰被り(萩では主に「はいかぶり」と言うことが多いです)は登り窯を焚く際に、横から薪を投げ入れて薪が落ちて燃え尽きる場所のあたりでしか取れない作品です。
穴窯では比較的広い範囲で燃え尽きた灰が作品を埋めるまで薪を投入したりもしますが、萩の一般的な登り窯での焼成では灰が溜まる場所も限られ、その焼成時間も短いため作品を埋め尽くすほどの灰は多く取れず、灰被りは一回の窯焚きでも数点しか取れない作品になります。
また、薪木を投入する場所に置くため、登り窯での灰被り作品は花入や水指など投げた木が当たった場合でも倒れないで焼成ができる作品がよく見られます。それでも花入や水指などの作品も薪木が当たって蓋が取れなくなったり割れたりとして数はあまり多くは取れません。灰被りの抹茶茶碗に関しては他に比べて薪が当たった際のダメージを受けやすいので、さらに見ることが少ない貴重な物だとも言えます。

信楽焼や伊賀焼などに見られるような焼成中の灰が溶けきるまで薪を投入し続け、その溶けた灰がビードロと言われる美しい緑色のガラス状になった作品もありますが、萩焼で見られる灰被りはその表面が焦げたような風合いが一般的です。
この焦げたような見た目の中に、ピンクがかった窯変とどこか青くも見ることのできる黒、灰を連想させる白、それに表面に付着した灰が見せる立体感と様々な見どころが存在しています。

実は店主の私自身はこの萩焼の灰被りの景色が大好きで、窯元を回って灰被りの作品を見るといつも少し心を躍らせています。
萩焼だけに関わらず世界中どこの焼き物にあっても、薪木から作られる灰と器との共演は登り窯や穴窯などの薪窯から作られる作品ならではの魅力と言えるでしょう。

現在萩焼屋では数点の灰被り作品を掲載させていただいています。
近いうちに私のための楽しみであるかもしれませんが、灰被り作品のみを集めたページを作りたいと考えています。ぜひお楽しみに。

今年1年も大変お世話になりました。今年は萩焼屋とギャラリー千陶の作品を並べる実店舗を萩に構えることができました。

もうすぐ年越しという12月26日には高齢者が運転する自動車が店舗に突撃するというハプニングもありましたが、奇跡的に作品への損害はなく無事に新年を迎えることができそうです。皆様良いお年をお迎えください。