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萩の七化け

萩の七化け について今回のブログでは。

 

まずは前回までのブログのおさらい、

愛着のある萩焼湯呑を探してほしいというお客様のご依頼の謎を解くべく、おゆまるで型を作り陶印の解析を行いました。

前回の写真で浮かび上がってきたのは、かすかに右側に見える縦に並んだ「火」の文字と「成」の文字。

 

 

ずばり萩城窯の陶印でした。

 

最初は勝手に作家名の陶印と決めつけて悩んでしまって、後から窯元の陶印かなとも考えて探してみたり目視して考えるだけでは全く手がかりが出てこなかったのですが、

型を取って印を押してみると思った以上に分かりやすいものになって驚きです。

 

そして店休日を利用して早速お目当ての湯呑を萩城窯さんから仕入れて、本日無事にお客様にお渡しすることができました。

とても感じの良いご夫婦で、とても喜んでいただき、こちらも無事に見つけ出せることができてとても嬉しく思います。

こういったご依頼をいただくと、お客様とも窯元の方ともご縁をいただくことができ、自分も勉強をすることができるので一石三鳥くらいの得をした気分になります!

時間はかかると思いますが、萩焼について何でもお応えできるようなお店にしていきたいです。

 

 

で、今回思ったのがもう一つ。

よく萩焼の説明において「萩の七化け」という言われ方がありますが、この七化けは萩焼の焼結しにくい(焼き締りしにくい)土の性質から生み出される貫入(表面の釉のひび)に、お茶やお酒などが浸み込んでいって起こる色合いの変化のことです。

萩焼の特徴は他の焼き物と比べて土の風合いが強いので手に持った時の自然の柔らかさと温かさを手で感じることができることと、またその焼成方法から生み出される淡い陶器の色にあります。この土味と色合いを生み出すために生じるものが貫入だとも言えます。

お客様からお預かりした湯呑と今回仕入れた湯呑を見て比べると、やっぱり長く大切に萩焼を使っていただくときれいに陶器の色も変化していくものだと再認識させていただきました。

田原陶兵衛先生のお言葉をお借りすると、この七化けこそが「愛着」なんだなと感じられます。

 

 

お客様もお使いの湯呑にお茶を入れるととても綺麗な色になるとおっしゃってました。

言ってみればご自身で作りだされてきた色だということですね。愛着が湧くわけです。

新しい湯呑にもまたその人ならではの色を作っていただければと思います。大事に使っていただくことを考えただけでも嬉しくなってきます。

 

最後に、使い込まれた湯呑と新しい湯呑のツーショット。

手作りのため形も釉薬の色にも若干の違いがあるかもしれませんが、使い込まれた日々の色合いはすぐに見分けることができます。

 

使い込まれた湯呑と新しい湯呑使い込まれた湯呑と新しい湯呑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、、やっぱり写真じゃわかりづらいかな、、、、

 

左が使い込まれたお湯呑です^^

 

 

そして、今日はもう一枚。

萩焼屋からそう遠くない大型デパート、サンパーク内の本屋もすっかり松陰先生色に染まっています。

 

サンパークの本屋