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萩焼について

ゴールデンウィーク期間中の時松泰礼さんの作品展で、山口新聞さん、山口宇部経済新聞さん、宇部日報さんに取材をしていただき当店にも少しずつ足を運んでいただくお客様が増えてきました。

最初は(というかつい最近まで、、)看板もなく場所も大変わかりづらいところにも関わらず、あきらめずにいらしてくれた方々に本当に感謝です。

 

当店はいわゆる「雑貨屋」という感じの、店内に所狭しと飾ってあるものを立って眺めて作品を楽しむというスタイルではなく、来店してゆっくりとお茶を飲みながら作品を楽しんでいただく、というスタイルを取っています。
ぜひお越しの際はゆっくりと萩焼をお選びください。

 

さて、お越しいただいた方々からよく「これも萩焼?」というご質問をいただきます。
一般的に連想される萩焼は、色が肌色(琵琶色)で、ポツリポツリと浮き模様があり、高台部分が欠けている、といったものが多く、当店に展示されている作品を見てこうおっしゃられます。

ある作家さんは、同じような質問をいただくと
「うーん、違うかなー」ととぼけられている方もいるようですが、萩焼屋でこう聞かれた方には「はい、そうです。」とお答えしています。

 

でも、色々な資料を見ても萩焼に関するしっかりとした定義っていうのは見つからないんですよね。
今の時代の萩焼に共通する特徴は、防府の台道土をメインに使い、低い温度で焼きあげる(備前焼などの焼き締めをしている陶器は高温で長い時間しっかりと焼き上げるそうです)、っていうのが多く見受けられます。
技術的なことは作家さんに直接お聞きしていただきたいと思うのですが、萩焼独特の淡い色合いってのはやはり、この土と焼き方でないと出ないそうです。
ある機会にカナダの陶芸ミュージアムの学芸員さんとお話をしたのですが、この萩焼独特の淡い色は世界でも珍しいよっておっしゃられていました。

古萩と言われる江戸時代初期の抹茶碗などにははたして台道の土が使われていたのだろうか、古萩は琵琶色だっただろうか、などと考えると本当に萩焼の定義というものは諸説色々とありそうですが。
近代は釉薬の種類も、その作家さんたちの技法も多くあり、琵琶釉などのいわゆる多くの方が連想する萩焼とはまた一風変わった作品も多く存在します。
ただやっぱり、どの萩焼作品を手に取ってみても土の風合いが強く感じられ、淡い色のせいか優しい雰囲気を醸し出しています。

 

 

そういった新しい、面白い個人作家さんの作品を萩焼屋では扱わせていただいているのですが、かといって全てが新しいわけでもありません。
当店で扱わせていただいている作家さんは皆、萩焼の伝統と、いわゆる「陶芸」の技術についてしっかりと修行と研究を重ね、その上で個性や可能性を追求した新しい萩焼作品の作成に取り組まれています。

当店に置いていただく萩焼作家さんに限らず、どこの萩焼作家さんもそれぞれに学ばれた伝統を受け継ぎ、新しい自分なりの作品を生み出す意欲を持って作陶をしているとういう点が萩焼の最大の特徴であり定義かもしれません。

 

「萩焼って何?」って聞かれた場合にはっきりとした定義はお伝えできませんが、今の時代の萩焼については当店でお楽しみいただくことができます。
様々な種類の萩焼を取り揃えている当店のネットショップと実店舗を是非お楽しみください。

 

 

萩焼屋 ネットショップ