青瓷陶芸家、渡部明彦さんの窯元へお邪魔してきました。
青磁陶芸家、渡部明彦氏
「萩焼屋×カケル」
静岡県の熱海で青磁を作陶されている渡部秋彦さんにお会いしてきました。
京都のロバートイエリンギャラリーでたまたまお会いして、今回機会がありましたので訪問をさせていただきました。
自身10年ぶりの熱海。
当時は現在よりも閑散とした雰囲気がありましたが、熱海駅を降りた途端人の多さに驚きました。駅まで渡部さんに迎えに来ていただき工房へ。
渡部秋彦さんは現在ではとても珍しく、窖窯(あながま)で青磁を焼成されています。
そのため、青磁ならではの気品さと美しさを損なわないように「匣鉢、さや」に作品を入れて窯詰めをし、灰が被ることを防いでいらっしゃいます。
今ではこの匣鉢も希少になり入手をすることが困難だそうで、現在持たれている匣鉢を大事に使用していると説明していただきました。
今回撮影した画像では少し分かりにくいですが、表面的ではなく、奥に深くまで染み入る貫入は他には見ることのできない程奥深く伸びていて、作品そのものの凄みを感じ取れます。
渡部秋彦さん曰く、この貫入の美しさと不揃いに生み出される貫入の面白さは薪窯ならではの賜物で、ガス窯などで焼成するとここまでの奥深さが出せないようです。
更に面白いことに、こちらの貫入は時間が経つとともにさらに成長をしていくようで、使い続けることはもちろん、そのまま数か月放置していただけでも貫入と作品に深みが増していくようです。実際に窯出しをしてから未使用で数年が経過した作品を見せていただきましたが、作品に現れている貫入が結晶のように広がり何とも言えない麗しさを演出していました。
穴窯も見させていただきました。
同じ青磁釉を施釉しても窖窯の中の置く場所によって作品の色は全く異なるようで、米色瓷の色に出来上がったり、窯出しをするまで予想もつかない出来上がり具合に薪窯ならではの面白さがあるようです。
「ガス窯はてっぺんを計算できるけど、薪窯はてっぺんを計算することができず、故に自分の想像以上の作品が出てくることもある」と渡辺さん。
渡部秋彦さんは、早くしてお亡くなりになられ今では伝説となっている萩焼陶芸家、宇田川抱青さんとも大変親交が深かったようで、山口県にいてもなかなかお聞きできない宇田川抱青さんの人間味と作品の素晴らしさについてお話をしていただきました。
近いうちに東京都内の方で、渡部秋彦さんの娘さんで画家の更科あかねさんとの親子展を開催されるそうです。ご都合の合う方はぜひ直にその作品を手に取られて見てください。
萩焼屋×カケルのイベントでも渡部秋彦さんの作品をご紹介させていただきますのでお楽しみに。
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